「犬は1日1000人のコロナウイルス陽性者を見つける!?」ドイツで行われている訓練法とは?

「犬は1日1000人のコロナウイルス陽性者を見つける!?」ドイツで行われている訓練法とは?
以前アニマルナビでは、犬の嗅覚を利用した新型コロナウイルス感染者の発見法について紹介しました。海外では続々と研究が進められています。なかでも94%の識別に成功したドイツ・ハノーバー大学の研究にスポットをあてて紹介したいと思います。

ドイツの実験ではどうやって「におい」を嗅がせたのか?

ハノーバー大学では「1,000個以上のサンプルから、新型コロナウイルスの陽性サンプルを犬に嗅ぎ分けてもらう」というものを行いました。この実験では94%の確率で識別に成功。くわしい実験方法は次の通りです。

ドイツの実験方法
1.装置の7つの穴からサンプルのにおいを嗅がせる
2.陽性サンプルのにおいがした穴を見つけさせる
3.正しく見つけられたらご褒美のフードを与える

サンプルのにおいを嗅がせるために専用装置を使用します。7つの穴のうち、6つは陰性サンプル、1つは陽性サンプルのにおいがします。サンプルは別の容器に入っており、チューブ経由でにおいを嗅がすため、犬の鼻にサンプルが触れることはありません。

犬には陽性の穴を見つけたら2秒以上鼻を入れるよう練習させます。ご褒美のフードも専用装置から出るようになっています。ハノーバー獣医科大学のブリックウェーデ氏によると、新型コロナウイルス感染者は、体の代謝が変化するため、犬がにおいの変化に気づくそうです。

探知犬は20分間集中できるが、30分間の休憩も必要

ウィーン出身で犬の訓練に携わってきたマーシャル氏は、この研究について次のように述べています。

条件が整った環境なら、ウイルスを嗅ぐ訓練をした犬は20分間集中して作業できる。ただし30分の休憩を挟む必要があり、休憩が終わればまた作業に集中できる。

マーシャル氏のコメント

(訓練した)犬をたくさん揃えられれば、1日に約1,000個のサンプルをチェックでき陽性サンプルを特定できる

マーシャル氏のコメント

探知犬を実用化する場合は、休憩時間も必要なのですね。だから複数の犬を用意し、交代制でにおいを嗅がすことになると考えられます。

実用化されればスピーディに陽性者を識別。解決すべき課題とは?

2匹の犬が3つのサンプルを嗅ぎ分ける場合、たったの数秒しかかりません。このことから犬の訓練にくわしいマーシャル氏は「コロナウイルスの探知に有用性がある」と解説します。

鼻と喉を拭き取るタイプの検査より、犬を使った方がスピーディに陽性者を発見できると期待されています。ただし医科大学のウイルス学者スターズ氏は次ように説明しています。

無症状感染者のにおいも犬が探知できているかは、現段階でわかっていない。このことも調べる必要がある。

ウイルス学者スターズ氏の説明

犬がウイルスのにおいを嗅ぐか、病気の過程でにおいがするかは不明。

ウイルス学者スターズ氏の説明

まだまだ探知犬の研究は課題があるようですね。今後の研究発表にも目が離せません。そして実用化される日を願っています。

参考:
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9fa725777e9035302c5d40616df87613e445395
https://www.news.at/a/hunde-corona-erschnueffeln-11611169

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